金融支配を終わらせる改革

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硝酸性窒素の危険性

硝酸性窒素が環境に及ぼす影響
 
1996年にサルトン海で起きたペリカンの大量死
米国カリフォルニア州の湖サルトン海で1996年例年より暑い日が続いた夏の日 湖の南部全域で大量のペリカンの死骸が発見された 衰弱したペリカンも確認された 1996年に確認されたペリカンの死亡数は9667羽にのぼった 被害は他の鳥たちにも及び約5千羽のカモの死骸が確認された 保護・治療したペリカンは約3万羽におよんだ サルトン海へ一夏に飛来するペリカンは約4万羽と言われている、つまりその4分の1が死に至り残りのペリカンもほとんどは瀕死の重体になった 今までサルトン海でこの様なペリカンの大量死が発生した例は無い 
 
ペリカンの死亡原因
死んだペリカンの血液検査をした結果全てのペリカンの血液中に通常では見られないボツリヌス菌が検出された、つまりボツリヌス菌に感染した事がペリカンの死亡原因だった ボツリヌス菌は地球上で最も強い毒素を出す細菌でその毒素の強さは青酸カリの千倍以上あり細菌兵器としても研究された 感染すると生物は筋肉が麻痺し手足が痺れ便秘が起こり症状が進んだ場合呼吸困難におちいり死に至る 当時かなりの人間がペリカンと接触しており人間への感染も危惧されたが発見されたボツリヌス菌の毒素は人間が感染する種類では無かった ボツリヌス菌の毒素は7種類ありその種類によって感染する動物は異なる 今回サルトン海でペリカンの大量死を起こしたボツリヌス菌は鳥と亀だけに感染する種類だった
 
ボツリヌス菌ペリカンが感染した理由
ペリカンは生きた魚しか食べない、魚がボツリヌス菌をため込みその魚を食べたペリカンが感染したと考えられる 通常ボツリヌス菌は水や土の中に毒素を持たない芽胞(がほう)と呼ばれる状態で存在する、だが湖底に動物の死骸などが沈むとその場所に居たボツリヌス菌が死骸に付着し死骸の栄養分を元に発芽し増殖して毒素を持つ様になる 同時に死骸を栄養分とする糸ミミズも繁殖する、死骸にはボツリヌス菌が繁殖しているため糸ミミズの体内にボツリヌス菌がため込まれていく、その後ボツリヌス菌をため込んだ糸ミミズを魚が食べ魚を食べたペリカンが感染した ペリカンボツリヌス菌感染はサルトン海では毎年起きているが通常ボツリヌス菌によるペリカンの感染死は年間でも数羽程度しかなく1万羽ものペリカンボツリヌス菌で死ぬ事は無かった
 
大量のペリカンボツリヌス菌に感染し大量死した理由
富栄養化ボツリヌス菌の大増殖を引き起こしていたと考えられる 水質検査でサルトン海の水には酸素の含有量が異常に少ない事が分かった 酸素含有量は比較対象として検査されたミード湖の60分の1しか無くサルトン海の水はほとんど無酸素状態だった さらにサルトン海では藻が異常繁殖していた 無酸素状態と藻の異常繁殖がサルトン海に見られるという事はサルトン海が富栄養化の状態になっている事が考えられる 富栄養化とは水中が栄養過剰な状態になりその栄養分で藻やバクテリアが大量発生する現象である 大量の藻やバクテリアが呼吸し大量の酸素を消費すると無酸素状態になる 無酸素状態で魚が酸欠死する ペリカンが大量死した1996年のサルトン海では数百万匹の魚が死んでいた 魚が大量死し大量の死骸が沈み死骸を栄養分とするボツリヌス菌が大増殖しその後糸ミミズや魚へとボツリヌス菌が移行し最終的にその魚を食べたペリカンが感染し大量死した
 
1996年サルトン海に富栄養化が起きた原因
農作物を育てる為使用した化学肥料が原因だと考えられる サルトン海から硝酸性窒素という化学肥料が高濃度に検出された その濃度は近隣の湖のミート湖の16倍もあった枯れ葉や動物の死骸などの有機物が土の中にいるバクテリアによって分解されると硝酸に変化する 硝酸性窒素とは硝酸の中に含まれる窒素の事である 窒素は生物を構成する元素として必要不可欠な物で窒素を取り込まなければ生物は生きられない 植物は空気中に含まれている窒素を吸収出来ず土の中から硝酸を吸収し硝酸の中に含まれる窒素を吸収している つまり硝酸性窒素は植物の生育に欠かせない栄養素なのである しかし同じ土地で農業を続けた場合その土地に含まれていた硝酸は農作物にどんどん吸収され減り続け農作物は育たなくなる、土地が痩せるとはこの事である そこで化学合成技術により硝酸を作り出し窒素肥料として畑に撒き食物の大量生産を行う様になった 窒素肥料が大量に水中に入ると富栄養化が起こりその場所に生息する藻やバクテリアが窒素肥料を栄養分とし繁殖する事になる サルトン海付近には広大な農業地帯があり硝酸性窒素が肥料として大量に使用されていた、つまり湖の周辺に窒素肥料が撒かれた事で硝酸性窒素が土中に蓄積されその硝酸性窒素が雨で土中から溶け出し川に入りサルトン海へ流出していた サルトン海には排水する為の川が無い為硝酸性窒素が湖から排出される事無く蓄積されていく、そして1996年に蓄積し続けた硝酸性窒素がある一定量を超えてしまい湖で富栄養化が起こった
 
硝酸性窒素が人体に及ぼす影響
 
人間の血液中に流れる赤血球の中にはヘモグロビンという酸素を運搬する物質がある ヘモグロビンは原子構造が不安定なためわずかだが常にメトヘモグロビンという酸素を運ぶ能力の無い物質に変化する このメトヘモグロビン量が増加すると酸素を運ぶ事が出来なくなり最悪の場合は窒息する、これがメトヘモグロビン血症である 症状は血液中のメトヘモグロビン量が10%以上になると酸欠により唇や手足が青くなるチアノーゼを引き起こし20%以上で呼吸困難になり70%以上になると死亡する 通常は体内で自然に生産される還元酵素がメトヘモグロビンをヘモグロビンに戻しているためメトヘモグロビン血症になる事は無い つまりメトヘモグロビン血症は先天的に還元酵素を生産出来ない人が発症する疾患であり発症例は世界的に非常に少ない、しかしWHO(世界保健機関)の調査によればルーマニアでは1985年から1996年の間に2913人の乳幼児がメトヘモグロビンを発症し102人が死亡している
 
ルーマニアで多くの乳幼児がメトヘモグロビン血症に陥った理由
ルーマニアの乳幼児が陥った症状は硝酸性窒素を体内に取り込み過ぎた事が原因で起きた 硝酸性窒素が体内に入ると赤血球中のヘモグロビンは酸化されメトヘモグロビンに変化してしまう 通常は還元酵素の働きによってヘモグロビンに戻す事が出来るが生後3カ月未満の乳幼児は還元酵素を生産する能力が非常に低いため硝酸性窒素を摂取し過ぎるとメトヘモグロビン血症に陥ってしまう
 
乳幼児が硝酸性窒素を摂取し過ぎた理由
地下水に多量の硝酸性窒素が含まれている事がある 硝酸性窒素は土中に肥料として撒かれた後農作物に全て吸収されるわけではない 吸収されなかった硝酸性窒素は水に溶け込み地下水へ入り込む、その水を飲料水として使用すると必要以上の硝酸性窒素が体内へ入る 硝酸性窒素が溶け込んだ地下水で粉ミルクを溶かし赤ちゃんに与えていた事が原因だった 殺菌の為水を煮沸する事が硝酸性窒素の危険性を高める 硝酸性窒素は揮発性が無いので煮沸する事で濃度が高くなる
 
硝酸性窒素は胎児にまで影響を与える
アメリカ毒物コントロールセンターが1996年に発効した報告書によればインディアナ州グランジ群に暮らしていた女性が1991年からのわずか2年の間に4回の流産を経験した、しかも同時期に同じラグランジ群に住む2人の女性が流産していた 調査の結果3人の妊婦が摂取していた水から高濃度の硝酸性窒素が検出された 報告書は母親の体内に入った硝酸性窒素が胎児に渡り胎児がメトヘモグロビン血症を引き起こし流産した可能性を指摘している
 
これらの問題に対しWHO(世界保健機関)では臨床データを元に硝酸性窒素が人体に影響を及ぼさない基準を1リットルあたり10mg以下と定めている
 
対処方法
地下水を飲料水として使用している家庭は各自治体の保健センターで水質検査を受ける、もし基準値を超えていた場合家庭用の硝酸性窒素除去用浄水器を使用する 日本の水道水は平均すると26%ほどが地下水なので上水道の浄水システムで硝酸性窒素を除去する